望ましい未来を実装するために、ウェルビーイング事業を始めます
- 吉田 裕美子

- 3月30日
- 読了時間: 5分
更新日:3月30日
エンタープライズアーキテクトの吉田です。
今日は、私たちが昨年から準備してきている、ウェルビーイング事業について、なぜこの事業を開始するに至ったのか、ご紹介したいと思います。
Hyper-collaborationは、
望ましい未来構築に誰もが主体的に参画できる社会に転換する
ことをミッションに掲げていますが、昨今、この「望ましい未来」という言葉の響きそのものが、少し変わってきているように感じます。
AIの急速な進化。
先の見通しが立ちにくい経済状況。
世界各地で起きる不安な出来事。
そして、日々流れ込んでくる膨大な情報。
こうした変化の中で、ビジネスそのもの、そして、私たちの心身には、想像以上の負荷がかかっています。どれほど優れたビジョンや戦略があっても、それを動かす人の心身が削り取られてしまえば、共創も協働も成り立ちません。
心身の健康こそが、望ましい未来を支える土台であるという、あまりに当たり前のことに対して、あえて、それを実現するための「備え」が必要である時代になってきていると強く感じるようになりました。
人は、働くためのパーツではなく、ともに良い社会をつくる仲間であるという前提に立ち、現代社会で起きていることを踏まえると、その心身の健康に向き合うことは、経営上の必然です。
Hyper-collaborationが、ウェルビーイングを新たな事業領域として位置づけるのは、そのためです。
「働けないのに、編み物はできる」のはなぜか?
この確信に至った背景には、弊社スタッフ、神田さんの二度にわたる、うつによる休職という経験がありました。
経営者として私は、
「働けるか、働けないか」という二択だけで、人の回復を捉えてよいのだろうか
と問い続けてきました。
その中で、私にとって忘れられない事実がありました。
彼女は、仕事に向き合うエネルギーが枯渇している時期にも、編み物だけは続けられていたのです。しかも、その量は驚くほど多かった。
なぜ、仕事はできないのに、編み物はできるのか。
なぜ、手を動かすことは止まらないのか。
この問いをたどる中で出会ったのが、イギリスのニッティングセラピーであり、そして作業療法士という専門職の視点でした。
この出来事を通して私は、人の回復や主体性の土台には、頭だけではなく、身体を含んだ全体性があるのだと改めて気づかされました。
そして、この領域にこそ、これからの組織や社会に必要な支援のあり方があるのではないかと考えるようになりました。
だからこそ私たちは、このテーマを事業として扱うことを決め、まずはニッティングという実践から、その可能性を形にしていくことにしました。
私たちが定義する、新しいウェルビーイングの3原則
私たちが考えるウェルビーイングは、「ストレスの除去」や「一時的なリフレッシュ」のようなものとは、一線を画したいと考えています。
私たちは、作業療法士・木村奈緒子さんから教えていただいたことと、Hyper-collaborationが大切にしてきた「自律と協働」の哲学を掛け合わせ、この事業の基軸となる原則を次の様に定義しています。
健康を「状態」ではなく「主体性の発揮」と捉える
身体からの信号に気づき、自らの状態を整えながら、自分にとって大切な活動を続ける力を育む
一人ひとりに合った活動バランスを支える経営基盤の構築を支援する
私たちが目指しているのは、単に不調がないことではありません。
一人ひとりが、自分にとって意味のあることに参加できること。
自分の状態に気づき、整えながら働き続けられること。
そして、それを個人任せにせず、経営の基盤として支えられることです。
専門知が導く「整える時間」の論理
私たちがあえて「ニット(編み物)」という具体的な作業を選び、それを「作業療法」という背景で位置づけるのには、明確な理由があります。
今回、とてもありがたいことに、作業療法士の木村奈緒子さんに連載ブログを書いていただくことになったのですが、その原稿の中に、私が強く心を動かされた言葉があります。
「自分にとって大切な作業ができるということは、その人らしく生きること」
この言葉は、私にとって衝撃であると同時に、深い納得をもたらすものでした。
今日、「作業」という言葉は、あまりに軽く捉えられている言葉かもしれません。
この言葉は、その人にとって意味のあること、大切なこと、自分らしさにつながることができる、そうした作業を行えるということが、自分として生きることそのものだという作業療法の意義深さを感じ取ることができる言葉です。
そして、この言葉によって、神田さんにとって編み物が果たしていた役割も、人の回復をもっと丁寧に支える必要があることも、ひとつの線でつながりました。
このあと続く木村奈緒子さんの4本のブログでは、作業療法の思想的なルーツから、なぜ手を使う作業が人を支えるのか、なぜ作業バランスが心身の健康に関わるのか、そしてなぜこのプログラムが現代の働く人々にとっての“整う時間”になりうるのかが語られます。
そして、Hyper-collaborationは作業療法の考え方を取り入れながら、望ましい未来に誰もが主体的に参画できる社会を支えるため、心身の健康と回復のあり方そのものに事業として取り組んでいきます。
ウェルビーイングを、人が人として働き、生き、協働していくための基盤として捉え直すこと。
それが、私たちが今ここから始めたいことです。
木村奈緒子さんによる連載記事は今後、以下の内容で綴られていきます:
第1回:「その人らしく生きる」を支える仕事
第2回:心とからだと作業
第3回:「バランス」が崩れるとき、人はどうなるか
第4回:ニットプログラムはなぜ“整う時間”になるのか
どうぞお楽しみに!
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