「自律」と「協働」を掲げても、なぜチームはうまく動かないのか ——『企業と人材』連載と連動した全6回の勉強会を始めます
- 吉田 裕美子

- 3月20日
- 読了時間: 6分
更新日:3月23日
エンタープライズアーキテクトの吉田です。
今日は、4月から開催する勉強会について、お知らせしたいと思います。
組織の中で、「自律」や「協働」は、疑うことの難しい言葉になりました。
それらはほとんど常に肯定的に語られ、望ましいものとして共有されています。
けれども、言葉が正しいものであればあるほど、私たちはその意味を十分に問い直さなくなるのかもしれません。
自律を促そうとすると、現場は個人任せになっていく。
協働を大切にしているはずなのに、対話が増えるだけで前進の手応えが薄い。
そうした場面に出会うたび、問うべきなのは個人の能力や意欲だけではなく、私たちがチームマネジメントをどう理解しているのかそのものではないかと感じてきました。
そんな問題意識から、このたび専門誌『企業と人材』で6ヶ月の連載を書かせていただくことになりました。
そして、その連載と連動するかたちで、全6回の勉強会を開催します。
今回は、その第1回でどのような問いから書き始めたのか、そしてなぜ勉強会も全6回で企画したのかをお伝えしたいと思います。
「自律」や「協働」は、良い言葉であるがゆえに曖昧になりやすい
「自律」や「協働」に反対する人は、ほとんどいません。
だからこそ、組織の中では“良い言葉”として広く使われます。
ただ、その一方で、良い言葉は受け入れやすいがために、人によって意味がずれやすいものでもあります。
たとえば「自律」と聞いたときに、
「一人で判断して動けること」を思い浮かべる人もいれば、
「上司に頼らず自走すること」を思い浮かべる人もいます。
また「協働」と聞いたときに、
「助け合い」や「関係性の良さ」を思い浮かべる人もいれば、
「役割分担」や「連携のスムーズさ」を思い浮かべる人もいます。
どれも間違いではありません。
ただ、こうした言葉が曖昧なまま使われると、本来願っていたはずの成果から少しずつズレが起きてきてしまいます。
自律を求めているつもりが、実際には個人任せになっている。
協働を促しているつもりが、結果として遠慮や依存を強めてしまっている。
そう考えると、いま必要なのは、個人の意識や能力だけに原因を求めることではなく、そもそもチームマネジメントをどう捉えるのか、その前提を問い直すことなのではないかと思うのです。
連載第1回は、「なぜ今、チームマネジメントは再定義が必要なのか」から始まります
今回の連載第1回のテーマは、
「なぜ今、チームマネジメントは再定義が必要なのか」
です。
現場で起きている問題を見ていると、私たちはつい、
「もっと主体性が必要だ」
「もっと対話が必要だ」
と言いたくなります。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、それだけでは変化が起きない場面も少なくありません。
メンバーが受け身なのではなく、何にどう関わればよいかが見えにくい。
対話が足りないのではなく、対話が意思決定や進捗につながる形になっていない。
協力がないのではなく、協力が“考えることへの参加”につながっていない。
だとすると、課題は個人の意欲だけではなく、チームの中で人がどう参加し、どう関わり、どう修正していけるかという設計そのものにあるとも言えるのではないでしょうか。
第1回では、そうした視点から、自律を単なる個人の資質としてではなく、協働を単なる関係性の良さとしてでもなく、あらためて捉え直すところから考えていきます。
連載と連動した問いを6回の勉強会を通じて深めていきます
今回の連載と勉強会は、次の6つのテーマで進んでいきます。
勉強会も、それぞれの記事タイトルと連動しています。
第1回 2026/4/7(火)18:00-19:30
「なぜ今、チームマネジメントは再定義が必要なのか」
第2回 2026/5/12(火)18:00-19:30
「なぜ『自律』はチームで機能しないのか」
第3回 2026/6/16(火)18:00-19:30
「参加型システムにおけるマネジャーの役割」
第4回 2026/7/22(水)18:00-19:30
「チームは感情を学習に変換できるか」
第5回 2026/8/18(火)18:00-19:30
「進捗がチームの自律とモチベーションを生み出す」
第6回 2026/9/29(火)18:00-19:30(対面開催)
「自律と協働を両立させるチームマネジメントの再定義」
重要なのは、これらが独立した6つの話ではないということです。
「なぜ再定義が必要なのか」という最初の問いがあり、そこから自律、マネジャーの役割、感情、進捗へと問いが展開し、最後にあらためて「自律と協働を両立させるチームマネジメントとは何か」に戻ってくる。
この流れのなかで、チームを見る解像度を少しずつ上げていくシリーズにしたいと思っています。
また、この勉強会は、記事の内容を解説するだけの場ではありません。
各回の記事テーマを起点にしながら、参加されるみなさんとともに、その問いを自社の組織やチームに引き寄せて考える場にしたいと思っています。
全6回で参加いただくと、学びはより深まります
もちろん、途中からのご参加も可能です。
また、アーカイブもご案内しますので、後から追いかけていただくこともできます。
一方で、このシリーズは、各回が積み重なっていく構成になっています。
そのため、学びの価値を最も大きく受け取っていただけるのは、第1回から参加いただいたときだと思います。
第1回で共有される問題意識があることで、その後の各回の論点が、単発の知識ではなく、自社の組織を見立てるための視点としてつながっていくからです。
忙しい実務のなかで、6回すべてに予定を合わせるのは簡単ではないかもしれません。
それでも、もし今回の問題意識に少しでも重なるものを感じていただけたなら、ぜひ第1回からご一緒いただけたらうれしいです。
こんな方におすすめです
自律や協働という言葉を使っているが、現場での実感にどこかズレを感じている方
組織開発、人材開発、経営企画の立場から、チームマネジメントの見方を深めたい方
施策や制度の議論に入る前に、その前提にある考え方を問い直したい方
他社の実務家とともに、これからのチームマネジメントを考えたい方
ご参加の条件とお申し込み方法
「自律」や「協働」は、これからも重要な言葉であり続けると思います。
だからこそ、それをただ掲げるのではなく、現場の営みとしてどう成り立たせるのかを、あらためて考えたいのです。
今回の連載と勉強会が、そのための起点になればうれしく思います。
全6回のシリーズですが、途中参加も可能ですし、アーカイブもあります。
そのうえで、もしこの問いに少しでも関心を持っていただけたなら、ぜひ第1回からご参加ください。
▶ 勉強会の参加条件
この勉強会は『企業と人材』に4月号から掲載される連載記事を読んでいらっしゃることを前提で進めて行きます。参加費は無料ですが、勉強会に参加をご希望の方は、産労総合研究所のホームページから定期購読にお申し込みください。
▶ 勉強会のお申し込みはこちら
みなさんと一緒に、この問いに向き合う時間を楽しみにしています。


