小さな一歩から始める
- 神田 ゆりあ
- 2025年9月27日
- 読了時間: 3分
編み物の最初のハードルを越える工夫
前回は、編むことがくれる余白、どのように編み物が私を助けてくれたかについて書きました。
今回は編み物を始めるときのお話です。
編み物を始めてみたい、でも自分にできるだろうか?
そんな迷いを持つ人は少なくありません。私自身も最初は同じ気持ちでした。針と糸を前にして「正しく編まなきゃ」と思うと、かえって手が止まってしまうのです。
そこで私を助けてくれたのは、いくつかの小さな工夫でした。

1. 小さな作品から始める
最初から大きな作品に挑む必要はありません。タワシやコースターのような小物は、短時間で形になるので「できた!」という実感を得やすい。小さな達成感を積み重ねていくことで、自分に「続けられるかも」という信頼が芽生えます。
2. 誰かと一緒に編んでみる
独学で悩むよりも、誰かと並んで針を動かすと気持ちがぐっと楽になります。間違えても「そういうことあるよね」と笑い合えるだけで、続けるモチベーションが上がります。この「一緒に編む体験」は、今回の取り組みが大切にしたい価値でもあります。
3. 「ほどくこと」も前提にする
ほどくことや編み直すことは、決して無駄ではありません。むしろ「間違えてもやり直せる」と知ること自体が、編み物の大事な学びです。私はこの感覚に、人生や仕事にも通じる余白を感じています。
4. 好き勝手に編んでみる

少し飛び道具的かもしれませんが、私にとって役に立った工夫は「好き勝手に編んでもいい」と思えたことでした。
ここに針を刺したらどうなるのか。変な場所でも「編む」という動作はできるのか。確かめながら縦横に編んでいくうちに、「編む」という動作そのものと、平面や立体ができていく感覚に少しずつ納得がいき、編むことそのものを楽しめるようになりました。
編み物を始めるときには技術的なハードルだけでなく、「正しくできるかどうか」という心理的なハードルもあるように思います。
でも実際には、始め方だけじゃなく、やめ方や寄り道も含めて“編む体験”なんだと思います。途中で止めたり、解いたり、思いがけない形が生まれたり——その全部が、編み物と仲良くなるプロセスなんだと感じています。
これらのハードルを越えられれば、編む時間そのものが心を整える営みになっていきます。「編むために編む」だけでいい。そう思えると、編み物はぐっと身近なセルフケアになります。
私は、この体験をもとに「心を調整するための場づくり」を始めようとしています。誰かに見せるための作品ではなく、自分を回復させるために針を動かす時間。その小さな一歩が積み重なって、大きな安心につながっていくと信じています。
そして今、この活動に関心を持ってくださる方が「やってみたい」「ちょっと興味ある」と気軽に参加できる場を計画しています。準備が整い次第、この連載の中でもご案内していきますので、気になる方はぜひ今後もチェックしていただけたら嬉しいです。
小さな編み目のように、一つひとつがつながって広がっていくことを楽しみにしています。

