コラボレーション研究家の吉田裕美子です。
何度言っても、伝わらないんです
よく、マネジャーの方々からメンバーに、伝えたいことが伝わらないというお嘆きの言葉を聞きます。
この「伝わらない」というのは、具体的には何が問題なのでしょうか?
伝わった結果、起きて欲しいと考えている現象があるからこそ、その現象が起きないことを発見して、「先日言った内容が、伝わっていないのだな」と、このマネジャーさんは思ったわけです。
ということは、明確に、そう意図していなかったとしても、本当は何かしらの指示を出したはずなのに、その指示が伝わっておらず、他者の行動が想定した様に起きていないことをことをことをなげいていらっしゃるということでしょう。
そして、その指示内容が理解されていないことが問題であるのだと、問題を定義してみます。
注:「指示」という言葉は、権威的に聞こえるかもしれません。だからかもしれませんが、「インストラクション」と横文字で表現されることが多かったりします。日本語では、指示命令という言い方をよくするため、「指示」と「命令」が一緒くたにされがちですが、これ以降「指示」と書かれているのは、あくまで「インストラクション」の意味です。
■ 伝わらない指示
先日、夫がこんなメッセージを送ってきました。
今日は遅くなります。軽く食べてます。
皆さんは、このメッセージをどの様に理解しますか?
私は、「今日は、飲み会があるから、晩ご飯はいらないよ」と理解しました。
折しも、緊急事態宣言が解除され、外食する方がポツポツで始めているタイミングです。お客様先でも、4月にできた新しい部門で、ようやく初の懇親会ができました!という話も聞いていたタイミングだったので、つい、その様に解釈してしまったのです。
そう、人は、伝えられた言葉の意味を、その時の状況など、他の情報と組み合わせて解釈します。
そして、誤解することもあるわけです。
実は、この時、夫が伝えたかったのは、「残業して遅くなる。軽く食べてはいるけれど、晩ご飯は家で食べるよ。」ということだったのです。かわいそうに、夜遅く仕事から戻った夫は、お腹を空かしているのに、何も残っておらず、自分で簡単なスナックを作って息子と夜食を食べていました。(汗)
さて、皆さんは、ここに「指示」が隠れていたのを発見しているでしょうか?
夫が指示したかったのは、「夕食を残しておいて」だったのです。
■ まず手始めに
指示は普段のコミュニケーションの中に恐ろしくたくさん埋没しています。「期待」という言葉に置き換えられる様な、暗示されているケースも多くあります。
コミュニケーションの中でやりとりされる指示を理解しやすいものにするためにも、情報アーキテクチャの考え方が活用できます。
特に仕事の場合は、相手からの「忖度」を期待せずに、伝わりやすいコミュニケーション、伝わりやすい指示を目指して、次の点に気をつけることから開始することをお勧めします。
指示として、まずは、次のどちらを伝えるか決める:
目標を伝える
作業を伝える
目標を伝える場合は、手段は相手の裁量に任せることになりますので、創造的な仕事となります。ただし、伝える相手によっては、どうアクションを起こすか迷うことにもなりかねません。
作業内容を伝える時は、相手がゴールを明確にしているときに有効です。例えば、今日は茶碗蒸しを夕食に出したい・・と思っている相手とのコミュニケーションであれば、作業内容を伝える指示になるわけです。
夫の先ほどのメッセージを目標型で伝えるなら、「遅くなりますが、夕食は家で食べます」ということでしょう。私のチョイスとしては、夫の分を分けて残すこともできますし、帰ってきたときに簡単に作れるものを少し準備しておくことも可能でしょう(私が作るかどうかは別として(笑))。
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ありがとうございました。
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