変革プロジェクトのキックオフにおける対話の方法を変えたら、マネジャーとリーダーの目的意識とチーム感がグッと強くなった話

トランジション・デザイナーの吉田裕美子です。


とても久しぶりのブログ投稿になります。


今日は、アジャイル型のチームマネジメント、ハイパー・チームマネジメントの全社導入をこの春から開始したお客様先でのキックオフ・ミーティングのプロセスを少し変えてみたことの影響を書いてみたいと思います。


キックオフ・ミーティングはこれから始まるプロジェクトに対する意味づけやチームビルディングを行うために、とても大切な時間だと言えるでしょう。


しかし、単純な自己紹介や、主催者側からの目的の「発表」では、参加者全員が主体的に活動を開始するには物足りないと感じた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?


我々の提供しているハイパー・チームマネジメントは、準備の期間も含めて3ヶ月、実践期間はたったの1ヶ月で、アジャイル型のチームマネジメントに転換するプロセスです。このような短期間で効果的に変革を推進していくためには、最初にチームメンバー個々人が、自分達のためにこの変革を行いたいと思っていること、この1ヶ月が非常に価値や意味のある時間であるに違いないと感じられていることが、何よりも大切だと私は考えています。


これまでのキックオフのやり方も、メンバーで一緒に目的を共有するODSCというプロセスを活用したり、対話を多く取り込むことで、それなりの成果はあったと感じていましたが、もう一歩、深いところにアプローチしながら、目的に対する言葉を生み出すプロセスを取り入れて、個人個人の意味の発見から、モチベーション、メンバー間のつながりを醸成したいと考えていました。


そんな時、たまたま見たのが、『プリズン・サークル』という映画でした。


プリズン・サークルは、「島根あさひ社会復帰促進センター」という、官民協働の新しい刑務所での取り組みを追ったドキュメンタリー映画で、受刑者同士が対話を通じて自分自身の犯罪の原因を探り、発見し、更生していく場を映像で紹介しているものですが、言葉では言い表し難いほど、感動的なドキュメンタリーでした。


この中で、TC(セラピューティック・コミュニティ)という手法が取られており、対話の力をあらためてこの映像で知ることができました。


その中でとても印象的だった方法の1つを、キックオフの中で取り入れてみたのです。


私自身は、TCの手法を学んだわけではないので、映像を単に真似てみただけではありますが、チームで、あるテーマに対するキーワードを上げていき、そのキーワードから1つ選んで、自分自身のストーリーを話す、そして聞いていた人が問いかけ、対話するというプロセスがとても印象に残っていました。


興味深い点としては、チームの中の一人が話し、その内容に問いかける人が何人かいるという状態で、ただ対話を聞いている人が、やりとりの中に自分を投影したり、何かを発見したりもしているのです。


ハイパー・チームマネジメントのプロセスは、アジャイル開発の手法の1つ、スクラムなどをお手本にしていますが、そのようなチームマネジメントに変えていくことの目的や、チームマネジメントを変えたことで実現したい「良いチーム」の姿は、それぞれのチームによって異なっているでしょう。


その目的、姿を表現する言葉を生み出し、統合し、みんなが「そうなりたい」と思うようなイメージを対話から生み出したいと思い、TCで行われていた対話のプロセスを真似てみました。


ファシリテーションする中で丁寧に扱ったのは、ストーリーの中にある感情です。


語られたストーリーの中にいる人は、どんな気持ちだったのか、またストーリーを語っている人自身の気持ちはどうなのか、そんな辺りを相互に問いかけ、共感的な理解を促しました。


そうすると、非常に「ビジネス」的だったキックオフのスタート時点とは異なり、それぞれの人が、自分自身としてそこにいるというような状態(に、私には感じられた)が生まれてきたのです。


あの時は、投げやりになっていた自分がいた。話しを聞いてくれる人、相談できる人がいなかった

自分が楽しいと思えるのは、〇〇に取り組める時。よっしゃ、出番だ!と思える自分がいる

マネジャー、リーダー層からこんな言葉が出てくることが、偽りのない自分自身として、そこにいるという状態になってきていると言えるのではないでしょうか?


そして、忙しい仕事の中で変化を生み出していくには、この偽りのない自分を大切にしながら、同時に、周囲のメンバーや関係者も尊重できることが、変革のエネルギーになっていきます。


当然、対話は、プロセスだけではなく、場づくりや、ファシリテータの在り方、聞き手の状態などが重要なファクターになるとは思いますが、今回採用したプロセスを通じて、人は、じっくり自分の話を聞いてもらうことで、自分自身の内面に埋没しているものを見出すと同時に、その人の対話を聞いている人も、何かを発見し、内省が進むのだ・・ということを改めて目の前で見せてもらったキックオフとなりました。


等身大の自分、偽りのない自分に、参加者それぞれが一歩でも近づけるような場をキックオフの時点で作ることが、とても重要だと言えるでしょう。




 

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