リレーブログ#00 情報と戦略:私たちのチームが動きにくかったワケ

最終更新: 4月8日



こんにちは。吉田です。

弊社の期首は2月なのですが、やはり4月は、多くのお客様の新しい期が始まるのもあって、「スタート」という感じがしますね。なかなか筆が進まなかったブログも、この4月からスタートしてみようと思います。


会社経営においても、個々のプロジェクトにおいても、短期/長期の戦略、戦術を考えるためには、複数の “頭脳” が必要である。

これは、私自身が常に感じていることです。


複数の頭脳を活かす、しかも、企業のプラットフォームを超えて・・ということは、Hyper-collaboration(以降HYC)を設立した時から構想していたことで、社名にもその意味を込めています。そして、それを実現するためには、適切な情報がタイムリーに流れるような経営/戦略情報基盤が必要であると考えていました。


昨年の10月にHYCの活動を開始してまもなく、その設計をいかに行うか考え始めた私は、業務や情報の分類法などが決められず悶々としていたのですが、そこを乗り越えたら、とても短期間に当面の間を支えるには十分であり、しかも進化させていくことに柔軟に対応可能な情報プラットフォームが手に入り、同時に、HYCメンバーの活動がめざましく成長するということがおきました。


具体的な構想設計に1ヶ月ほど、準備、実運用に1ヶ月ほど。せいぜい2ヶ月で、このような状態にたどり着けたのは、デジタル変革を支援しているGraat社からAtlassian製品を紹介いただいたからでした。


もちろん、弊社は4名で経営している小さな会社ですし、元々デジタルツールを駆使して、リモート環境で経営している企業ですので、大きな歴史ある組織がデジタル変革を行うのとは、その負荷は全く違っていることは理解しています。だからこそのスピード感は否めないものの、分析のプロセスとそのインプリに関して、私が悩んだ道のりは、同じような悩みを持つ方々にも参考になる要素があるのでは・・と思い、ブログ記事としてまとめることにしました。


どう分析する?


構想設計のために分析を開始したとき、現状をどう分析するかにだいぶ迷いました。分類はどのように行い、それらの繋がりをどう構造化すると現状の課題が最も見えやすくなるのか。そこが今回、一番悩んだところですし、思い起こしてみると、今回に限らず、いつもそこに悩みます。課題がシャープに見えれば、ソリューションは見出しやすくなりますが、どのように課題を顕在化させるのか・・これは、情報の整理の仕方次第でものすごく見え方が変わるということを長年経験してきているからです。


その時、ふと思い出したのが、ペースレイヤリングでした。


戦略的に物事を考えるとき、長期的な視点と短期的な視点があります。日々の変化を具体的に認知する必要がある部分と、もっと変化を俯瞰して捉え、ノイズに流されない方が良い部分があるわけです。


ペースレイヤリングの説明は、ここでは省きますが、簡単に言えば変化するスピードでシステムを階層化して分類する方法と言えます。この分類法が、上述の長期、短期の視点にフィットすると考えました。



参考:『思想としてのペースレイヤリング



試しに、弊社の活動と、それぞれに紐づく情報が、どのような変化のスピードに分類でき、それぞれがどのような依存関係にあるのかを簡単に分類してみました。例えば、皆さんの企業内にも、下の表のような日々の経営/業務に関連する情報があるかもしれません。


最初は、あくまでラフに、情報の変化のスピードを大まかに認知してみようという目的で書き出しました。



上述はサンプルですが、この表のように簡単な分類/整理をして、弊社の情報の変化のスピードを以下の3階層に分けた結果、それぞれのレイヤーに名前をつけられそうだ・・・ということに気付きました。


Pace: Fast デイリートランザクションレイヤー

Pace: Medium タクティカルレイヤー

Pace: Slow マスタレイヤー


そして、最初に作った簡単な情報整理をもう少し調査した上でこの3階層に当てはめてみると、私が経営の中で悩んでいたことがくっきりと浮かび上がってきたのです。


浮き彫りにされた問題と解決策


何を悩んでいたかというと、冒頭の部分に書いた、戦略/戦術を考えるために"複数の頭脳"を効果的に活かせていないということでした。もっとメンバーに戦略的なフェーズに関わって欲しいのに、そこがどうしてもうまくいかないのです。


経験が足りないのかな?

どんな言葉かけが有効だろう?

何を教育として提供すると効果的だろうか?


色々と考えてみたり、学習の機会を提供してみたりもしてきていますが、ピンとくるもの、明らかな効果が見える施策がありませんでした。


具体的に何が起きていたかというと、プロジェクトのスタート前の段階は、私が1人で考えるか、「一緒に考えて」と声をかけて打ち合わせをして、アクションを決めるところまで伴走することが多かったのです。


今週中にここをチームで考えて準備しておいて欲しいな・・と思うことがあっても、毎度毎度声をかけるのも指示ばっかりしているみたいで嫌だと思いましたし、時間が空いているように見えていても忙しいかもしれないよな、他人から見ると、抱えている仕事は簡単そうに見えるものだ・・・と自分を戒めることもありました。


また、このように活動していると、私の仕事量はものすごく多くなり、その結果、こまめに声かけすることも難しくなってくる状況がありました。でも、1人で完全に抱え込んでしまうような経営、マネジメントだけは絶対にしたくないと考えてもいたのです。


そのような状況の中で、ペースレイヤリングに基づいて分類した企業活動(業務、タスク)と、弊社内にすでに準備されていたシステム構成を改めて確認して私が気づいたことは以下の4点でした。


  1. プロジェクトの開始前の戦略立案、準備の部分は、必ず考えなければならない点は多いにもかかわらず、経験値に依存している

  2. 経験したことをナレッジベースとして蓄積する方法が定まっていない

  3. 活動の状況が自動で流れていくニュースフィードが機能しておらず、チャットツールになっているために、「報告ベース」の状況把握となっている

  4. 経営が長期に考えていることは共有できていても、中短期的な計画、戦術の部分は、私自身が意識してコミュニケーションしないと、開示するタイミングや開示先などが用意されていない


つまり、戦略的な情報をどのようなタイミングで、どのような形で伝える/蓄積するかが設計されておらず、職場内で起きている問題の多くは、すべて人の能力や人の努力に依存していることに起因していると気づいたのです。


戦略を立てられる人材に必要な能力開発領域としてよく言われるのは、クリティカルシンキングやシステム思考などの思考力です。これは、もちろん前提としてトレーニングが必要な部分で、弊社も継続的に努力しています。しかし、どんなに思考力が磨かれても、その思考力を活かすべきインプット情報と、インプットされた情報を元にアウトプットできる場がなければ、チームとしての実践知は効果的に上がっていきません。


テレワークがある意味常態化している今、デジタルプラットフォーム上で効果的にチームとしての実践知を積み重ねられる環境の準備がなされていなければ、メンバーが保持している能力を存分に発揮できないことになってしまう・・それが弊社の抱えている問題の根本原因でした。


実は、この私の構想設計の部分も、上述のGraatさんに紹介された、Atlassian社のConfluenceというWikiツール内で行っており、私がどのような順番で考え、情報を整理し、経営に不足している部分を見出したのか・・は、社内で誰もがいつでも確認できるようになっていました。


そして、この私の思考プロセスに基づいて、社内のメンバーに、とてもシンプルなプロジェクトチャーターのフレームワークを設計してもらいました。


「フレームワークを設計する」という、一見専門家でないとできなさそうなプロセスを、私はいきなり社員2名にお願いしたのですが、これが叶ったのは、Confluenceに膨大な量のフレームワークがすでにテンプレートとして準備されていたからです。


該当するテンプレートをピックアップし、それをベースに、弊社の活動に必要な項目を検討して少しだけ追加してもらいました。また、Confluence内のフレームワークがアップデートされる状況を、プロジェクト単位に分けたSlackのチャンネルにニュースフィードとして流すようにしたので、わざわざ「報告」する量が激減しましたし、状況アップデートはタイムリーになり、誰にでも分かりやすくなりました。


この情報の設計、整理、共有が整った途端、弊社のパフォーマンスが猛烈に上がったと同時に、組織がよりいっそうフラットで自由度が高く、そして透明性のある状態になった感覚があり、また私が全く関わらずに仕事が進められるようになったのは、想定以上の成果でした。


誰もが、今、戦略/戦術として思考すべきことは何で、アウトプットをどこに蓄積すれば良いかわかるようになった。本当にシンプルなことですが、こんな準備がチーム活動には不可欠なのだということを身をもって知る機会になったのです。


リレーブログ、開始します!


このような成果につながったことを、先日、Graatさんに共有する機会があり、ありがたいことに、とてもよい手順を踏んでいるとフィードバックをいただきました。また、色々と意見交換していく中で、このように情報設計やテクノロジーがチームの活動を効果的に支援するために大切な視点を、もっと広く伝えていけたらいいね・・と意気投合しました。


そんな経緯で、なんと、この私の経験談をスタートに、GraatとHyper-collaborationは、リレーブログを開始します!!題して、「チームとテクノロジーの幸福な関係」!個人的にも、めちゃくちゃワクワクしている取り組みですが、皆様も、どうぞ続きをご期待くださいね!!



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