10年の対話が、未来を導く光となる。NEC SessionSE × Hyper-collaboration
- 寺嶋 広明

- 2025年12月1日
- 読了時間: 6分

港区芝。
高層ビルが立ち並ぶこの街の中で、ひときわ印象的な姿を見せるのがNECスーパータワー(日建設計 竣工1990年)です。
6,000人が働く、まるで一つの街のようなこの建物は、東京都の環境影響評価条例の適用第1号であり、グッドデザイン賞も受賞した美しいフォルムを持ち、NECという巨大企業の象徴でもあります。
田町駅の三田口を出ると、「NEC」というロゴと目が合うように、そのタワーが真正面に立っています。慶應仲通り商店街を抜けて改めて見上げると、その姿は、霞が関や六本木の方向だけでなく、人々の暮らしが息づく「まち」にもつながっているように感じられました。そこに、NECが掲げる、人と社会を「未来へ導く、光となる」という想いが重なって見えました。
去る9月12日、そのタワーの中でNECが10年にわたり続けてきた社内プロジェクト「SessionSE」の新たな幕が上がり、その節目に、Hyper-collaboration代表の吉田 裕美子が初めて外部ファシリテータとして登壇させていただきました。
「これがやりたかったんです」と松本さんが語った日

「SessionSE」は、2015年に始まったNECの社内横断型プロジェクトです。
SE(システム・エンジニア)を多く抱える組織長が部門の壁を越えて、お互いの話をし、信頼関係を築くための「対話の場」から始まったSessionSE、それぞれの事業での、悩み、課題を共有し、共に解決に取り組むための学びの場として現在まで続いてきました。その年月の中でSessionSEは何人もの役員も生み出し、まさにNECの背骨ともいえるプロジェクトになっているのではないでしょうか。
今年は全社から55名が参加し、約4割が新たなメンバーとして加わった、このプロジェクト。一般的な幹部研修とは異なり、「仲間」として昇格者と既存幹部が混ざり合い、SI事業と組織、それを支えるSEの未来を考えるコミュニティになっています。
10年間この活動を企画・運営し続けてきた松本さんは、今回初めて外部ファシリテーターを招いた理由をこう話しました。
「そろそろ外の視点を入れたほうがいいと思っていたんです。今がそのタイミングだと思って、HYCさんにお願いしてみました。私はこれがやりたかったんです」
その一言に、SessionSEの成熟と新しい一歩への期待が込められていました。
テーマは「未来の働き方と情報の役割」
事前の打ち合わせを数回重ね、今回のSessionSEのテーマは、
「未来の働き方と情報の役割 ― 人材流動性の時代のマネジメントを考える」
とさせていただきました。
3時間のセッションでは、次のようなアジェンダを軸に、参加者全員が思考と対話を重ねました。

セッション1:情報と活動ーインフォメーションアーキテクチャの視点から
理解の外観図──データ・情報・知識・知恵の連続性
データを情報化する「スキーマ」(人の思考の枠組み)
セッション2: 人と情報のFuture Readiness
未来への備え:未来対応型人材の育成
未来への備えを構成する4つのコア要素
人の流動性とインターナルモビリティ
人材流動性に備えるための4つのカテゴリ その他
セッション3:これからの備え
LinkedInが行なっているキャリア開発支援
サービスモデリングの4つのステップ その他
統括部長を務める方々はやはり組織運営と人材育成について真剣に考えており、人的資本経営のレベルアップやこれからの時代のマネジメントについて興味があるようでした。
テーブルを回って発言を伺っていると、「これはできてる」「でもこの観点はなかった」などという声が聞こえてきて、情報のインプットだけではなく、常に自部門の現状との比較検証をし、それをまた仲間とディスカッションを重ねることで深めていくという時間となっていたようでした。
対話の中で生まれた「気づき」

チェックアウトの振り返りでは、参加者それぞれの言葉に人と組織の変化の兆しが現れていたと感じました。
「事業と人と組織というのを改めて考える、非常にいい時間だった」
「僕ら自身も横の(部門を超えた)連携でもっと会話をしなければいけないと思った」
「NECの仕組みや制度は頑張って整ってきたけれど、それが機能するようにこの学びを活かしていかなければいけないと思った」
「ものを伝える、情報を伝えるときは伝わらないという前提を持って、謙虚な気持ちで、どうやったら相手に伝わるんだろうかって考える、そういう意識も大事だよねっていう話をしていました」
「タレントアーキテクチャを自分の部門でも試してみたい」
「中期計画の策定も、若手に検討の機会を与えてみることで、自らがオーナーシップを持って考えてもらうということが大事なんじゃないかなということを話しました」
悩みや課題について部門を超えて話し合ううちに、「個人と組織の関係性」が少しずつほぐれていくのが伝わってきました。
それは、AIやDXのような技術の進化を進めていくためにも、人間らしい「理解と思いやり」が前進の鍵であることを教えてくれる時間でもありました。
「少しずつの気づき」がNECを変えていく
セッションの最後、松本さんは穏やかにしかし力強くこう締めくくりました。
「みなさん、今日の情報や対話の中から『NEC結構できているんじゃないか』という実感もあったかと思います。でも、まだやれることはあるんじゃないかと思いますので、今日過ごした時間の中から何かを持ち帰ってもらえたらと思います」
「また、今回の外部の方に情報提供をしていただくという機会を持ちたいと相談したら、快く『やってみれば』と言ってくれた網江さんからも一言お願いします」

そしてSessionSE施策オーナであるCorporate Executive網江さんも続けます。
「今日、インプットされた情報というのは、一つのフレームワーク、一つの考え方。それをどうやって、みなさんが現場に持ち帰って、どういうふうに咀嚼していくのか、実現していくという事を、みなさんに期待したいことです。
ふりかえりの中にもありましたように、今日の情報インプットを受けたみなさんが驚いているというより、出来てるか、出来てないか、を自己評価できているということ、『少しずつの気づき』、これがたぶんNECが変わってきたっていう一つの結果じゃないかなというふうに、私も実感しました。今日は参加ありがとうございました。」
会場に拍手が広がり、3時間の対話は温かい余韻を残して終わりました。
タワーの光が照らすもの
NECスーパータワーの窓からこぼれる光は、単なる都市の明かりではありません。
それは、テクノロジーと人間のあいだに生まれる信頼の光だと感じました。
外部ファシリテーターとして初めて機会をいただいたHyper-collaborationとしても、とてもチャレンジャブルで有意義な時間でした。
ありがとうございました。
NEC SessionSEでの新たな取り組みをHyper-collaborationの寺嶋がお届けしました。
Hyper-collaborationではSessionSEで実施したような、デジタル時代の組織運営・マネジメント・人材について考えるワークショップを実施可能です。ご興味がある方はこちらよりお問い合わせください。
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