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感情は、コントロールするものじゃなく“共存するもの”EQがくれた、選択の可能性とこれからの自分を少しだけ変えるヒント

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最近、チームの“空気”をどう感じていますか?

仕事をしていると、

「なんか最近チームの雰囲気がピリピリしてるな」とか「この人、本当はどう思ってるんだろう?」

そんな風に感じる瞬間、ありませんか?


わたしは普段、自社やお客様のチームの様子を伺うとき、“見えない空気”の中にいつも感情があるなと感じます。


期限通りに終わらないんじゃないかという焦り、

思うように議論が進まないときの苛立ち、もどかしさ。

それから、プロジェクトで成果が出たときの喜び、

ゴールが見えてきたときの希望、「その仕事やっておきますよ」と言われたときの安心感。


数字や戦略よりも先に、感情がチームを動かしている場面によく遭遇します。


でも、そのような場面に“気づく”回数が格段に上がったのは、

Six Seconds社の「EQプラクティショナー認定資格」(以下、EQPC)を受講してからでした。



はじめまして。Hyper-collaborationの小山夏花です。

今日は、わたしがEQPCを受けて感じたこと、そしてそれが今の自分の仕事や考え方にどうつながったのかを、少しだけお話しします。




感情を「扱う」より、「共存する」


EQPCは、Six SecondsのEQモデルを理解し、日々の生活やビジネス、教育現場でEQを実践(プラクティス)するための能力開発プログラム創作、及び効果的にファシリテーションを学びます。自身もプロのEQ実践者となり、人々を行動変容へと導くエモーショナルインテリジェンス実践・開発のプロを養成するプログラムです。シックスセカンズジャパンホームページより)


今回、わたしは弊社の平澤さんことまるちゃんと一緒に、EQPCを長野県黒姫で対面で受講してきました。


自然の中に囲まれながら、3日間、初めて出会った人たちとワークショップはもちろん、ごはんの買い出しに行ったり、自分たちで作ったり、バーベキューを楽しんだりを通して仲を深めつつ、感情との付き合い方を探求してきました。

(ごはんを共にするって本当に素晴らしいこと!)


この体験がものすごく印象的で、温かくて、参加者の皆さんと過ごした時間を何か形にできないかと、今回このブログを書くに至りました。




Six SecondsのEQモデルは、「知る(Know yourself):自己認識」、「選ぶ(Choose yourself):自己管理」、「活かす(Give yourself):自己方向付け」の3つの探求領域で構成されており、この3つのステップを繰り返すことでEQ(感情知能)を実践的に高めていくプロセスとなっています。シックスセカンズジャパンホームページより)


さらには、この3つの探求領域は8つのコンピテンシーという要素に分けられています。

今回は詳細は省きますが、EQPCではこの8つのコンピテンシーを丁寧にかつ実践的に深掘りすることで、自分たちの感情との向き合い方を学びました。


受講する前から、自分の感情をキャッチすること(=自己認識)は得意なほうでした。

でも、「感じたあとにどう動くか」についてはいつも悩み、結果的に考えすぎて動けなくなったり、「どうせ伝わらないかも」と諦めてしまったり、ある方向に動いても後から後悔したり。


EQPCを通してわたしが得た感覚は、

「感情はコントロールするものではなく、自分の中に共存するもの」という考え方でした。

感情をどう“整えるか”よりも、どう“一緒に付き合っていくか”。

この発想の転換が、わたしにとっての大きな一歩でした。




“感情を起点に選ぶ”ということ


正直、黒姫で受講している最中は、自分が新しい価値観で行動を選び直している想像ができないことも多かったです。


いつも取っている行動や思考の癖を思い起こしたり、

「自分の思考パターン的にはそんな選択しないだろうな」と思ったり。


でも実際には、日常に戻ってから少しずつ、「あ、これかも」と思う場面が増えていきました。

たとえば、モヤモヤした感情を網でキャッチするように、一度「これは何に反応しているんだろう?」と、捕まえた感情を観察したり、分析してみる。

そしてそれが見えてきた頃に、普段ならちょっとだけイラっとして、誰かに少しだけ愚痴を言って、消化させていたのが、「自分はいま、この状況がどうなってほしいんだろう?」と未来志向で考えている自分がいたんです。


たったそれだけのことで、感情に飲み込まれて「本当はこうなってほしかった」とつぶやく小さな声を聞かなかったことにするのではなく、感情と“一緒に考える”ということができるようになってきました。

行動が劇的に変わったわけではありませんが、感情の捉え方が少しずつ変わってきた気がします。

悲しみや怒りを感じても、「この感情は自分にとって何が大事だから起きてるんだろう?」と、今までよりも一つ深いレイヤーで考えられるようになってきたと同時に、その先の“行動の選択肢を増やしてみること”に意識を向けられるようになってきました。




感情は、一人で整えるものじゃない


今回、黒姫で対面で参加した中で特に印象に残っているのは、メンバー同士の対話です。


参加していたメンバーは10名ほど。

初めましてで出会った人たちでも、1日目が終わる頃には全員が和気あいあいとし、それぞれ部屋に帰るのも名残惜しい様子が見られました。

ワークショップ中も、誰かが自分の感情を素直に話すと、場の空気がやわらぎ、その場にいるみんなの感情が少しだけ見えやすくなる感じがしました。

水面が穏やかになると波紋がわかりやすく波及するのと同じように、手探りながらもそれぞれの感情が呼応し合っている感覚でした。


その経験から、感情には、誰かが打ち明けるとその人のことをもう少し知ってみたくなったり、興味が沸いてくるような、そんな仕掛けがあるんだと思いました。

これが、共感の一種なのかもしれません。


考えてみると、日常生活でそもそもあまり感情を話し合う場面ってないんだと思います。

ちょっとした“告白”みたいなものだから、友達同士の間の会話でも少し気恥ずかしさがあるのかもしれません。

その中で、「みなまでいうな」というか、「そんな状況ならこんな感情になるよね、わかるわかる」と、“わかった風”でまかり通ってきた感じがします。

友人との会話でこのような感覚であれば、仕事なんてことさら感情から離れた領域です。


今回のEQPCでは、この「もっと知ってみたい」という感覚を積み重ねることで、参加していたメンバー全員が、その感情を話してもいいと思える温かさと安心感を、お互いに発揮していたのだと思います。


この経験を通して、EQは一人の中で完結するスキルではなく、関係性の中で育つ力なのだと学ぶことができました。

そしてこれは、わたしが普段のプロジェクトの中でも実感していることです。

感情を安心して共有できるチームは、自然と変化を受け入れやすい空気を作れているように思います。

EQは人と人の間に“橋”をかける力なのだと、EQPCでの体験を振り返ってみて改めて思いました。




「間」にいる自分


わたしは幼少期からアメリカと日本、二つの文化の間で育ちました。

それが影響してなのか、いつも“どちらか”一つを選ぶよりも、“どちらも”を(バランスを見つつ)欲張ろうとする癖があります。


EQを通して、そしてHyper-collaborationに入社して、自分を見つめ直す時間が増えたことにより、「その間に立つ感覚こそが自分らしさかもしれない」という見方ができるようになりました。


理性と感情、本音と建前、優しさと意志。どちらか一方を決めてそこから動けなくなるのではなく、両方を持ちながら前に進む。


それが、わたしにとっての“感情と共存する”ということだと気づきました。



仕事でのEQ活用


まだまだ勉強も道半ばですが、EQを学び始めてから「変化を生み出すためのアプローチの幅」が少し広がった気がします。


HYCでは、EQとロジカルシンキングを掛け合わせたリーダーシップ研修や、

EQを織り込ませたチームマネジメント手法「ハイパー・チームマネジメント(HTM)」を行っています。


そのようなプロジェクトを毎日行っている中で、冒頭の“見えない空気”の裏にはどんな感情があって、どのようにチームを動かしている(もしくは立ち止まらせている)のかを観察しています。

感情は数値化できないと思われがちですが、確かにチームを動かす“データ”でもあります。

ファシリテータとして、それを丁寧に読み解いて、より信頼と変化が生まれる場づくりをしていきたいと思っています。


わたし自身も、EQPCでの学びを自分のマネジメントやチームの関わり方に少しずつ取り入れながら、EQを“知識”ではなく“実践”として育てていくために、一つひとつの気づきを大切にしていきたいと思います。



最後に


EQPCに3日間参加し、ワークショップや対話を通じて自分自身の変化として感じたのは、感情を受け入れることで、次の選択肢が見えてくるという一歩の前進です。


感情に従うのでも、抑えるのでもなく、共にいながら少しずつ前に進む。

感情は確かに自分自身の一部だからこそ、これからも上手に付き合っていけるようになりたいです。


EQの道はまだまだ続きますが、この学びをチームやお客様との関わりにも少しずつ還元して、“信頼と変化の橋をかける”一人として成長していきたいと思います。


わたしのEQの体験記は、一緒に参加したまるちゃんと以下の動画の中でも語っています。

今回のブログとは少し違う切り口で対談していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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