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自動運転の最前線から ― 組織の未来を見つめる時間株式会社ティアフォー 出張ATD25報告会開催レポート


ATD23報告会
株式会社ティアフォー 人事・法務ユニット ストラテジー&コミュニケーション部 部長 佐野 瑛士さんと

こんにちは、Hyper-collaborationの寺嶋です。

今回は、株式会社ティアフォー様にて開催したATD25報告会の様子をお届けします。


ティアフォーの今 ― 非連続な事業成長と技術革新の両面を追い求める組織

株式会社ティアフォーは、自動運転用オープンソースソフトウェア「Autoware」の開発を主導し、「自動運転の社会実装」を目指す、成長著しい企業です。ここ数年で開発体制が大きく拡充し、国内外から多様なエンジニアが集まるようになり、事業領域も広がってきました。その結果、従業員規模も急速に拡大し、これまでとは異なるフェーズでの組織運営が求められるようになっています。

 

成長スピードが速い組織だからこそ、新たな課題も見えてきます。

 

  • 異なるバックグラウンドや価値観を持つメンバーの協働

  • ステークホルダーが増える中でのプロジェクトマネジメント

  • 長期的な企業成長に耐えうる「マネジメント基盤」の整備

 

こうした非連続な事業成長と技術革新の両面を実現するための「組織の土台づくり」が、次のチャレンジとして浮かび上がっていました。

人事・法務ユニットとしても、新たな制度策定や施策に取り組んできました。その観点から、今回は「組織の次のステージを考えるために新たな視点を得る場」としてATD25報告会をインハウスで開催していただきました。


企画の裏テーマは「心理的安全性を再考する」

今回の企画を発案したプロダクトマネジメント部の藤村さんは、次のように話してくれました。

「私たちは技術力を強みとする会社ですが、組織がこれからさらに大きくなることを見据えたマネジメント力も必要になっていると思っています。そのためには組織のOSをアップデートする必要があり、最新情報を知っておく機会を設けたいという問題意識のもと、人事・法務ユニットに相談し、任意参加の勉強会という位置づけで実現することになりました」

 

また、人事・法務ユニットの佐野さんも次のように語ります。


「『心理的安全性』という言葉の本質が何で、業務の中でどう活かすかという議論をこの機会に推進していきたいと考えていました。今は組織の土台を整え、より筋肉質な状態を目指していくタイミングです。人事・法務ユニットの中でも、改めて『人が活躍できる組織とは何か』を考える機会にしたいと感じました。」

 

組織がさらに大きくなり、さまざまな価値観の人が働く未来を見据えたとき、「安心して声をあげられる」「お互いを信頼し合える」土壌をつくることは、避けて通れません。こうした背景から、事前の打ち合わせで今回の報告会の裏テーマを「心理的安全性を再考する」としました。

 

当日は夕方遅くからの開始時間でしたが、エンジニア、コーポレート系ファンクション等からも任意の参加者12名(うちオンライン3名)が参加。内容を「聴く」だけではなく、ワークを通じて自ら考え、語り合う時間となりました。

 

満席で補助椅子を出しての開催
ワーク中の様子
ワーク1:「あなたの5つのコアエンジン」を確認する

「Purpose(志)」「Wisdom(知恵)」「Growth(成長)」「Love(愛)」「Self-actualization(自己実現)」の5つをセルフ評価し、ワークチームで共有しました。

参加者からは、次のような気づきが生まれました。

「仕事をする上で自らの“愛”が足りていないと実感した」

「人を『その人自身』ではなく『役割』で見ていたことに気づいた」

技術やタスクに集中しやすい現場だからこそ、「感情」や「関係性」への気づきが新鮮だったように思います。


エドモンドソン氏の「インテリジェント・フェイラー」から学ぶ

「心理的安全性」を提唱したエイミー・エドモンドソン氏の研究紹介のあと、ワーク2:「あなたのチームはどのステージにチャレンジしていますか?」を行いました。

ここでは、次のような気づきが共有されました。

「同じ業務をしていても、『タスクとして捉える人』と『ビジョンにつなげて考える人』がいる」

こうした認識の違いが、成長途上の組織では大きなズレになっていくことがあります。

今回のワークは、その違いを「知る」こと、「言語化する」ことの価値を実感する場となりました。


「恐れずに声を上げる」ということ

「恐れずに大切なことについて声を上げる方法」のパートでは、「他人を極端に低く評価する人ほど、周囲から扱いにくい人として見られている傾向があった」というデータの紹介に対して、会場では大きな頷きが広がりました。

技術中心の現場では論理や成果が重視されがちですが、「行動の裏にある想い」や「対話の質」こそが、チームの健やかさを支える鍵になる、そんな気づきが生まれたようです。

 

「組織の土台を育てるための、静かな種まき」のような2時間

終了後、参加者からは次のような声が聞かれました。

「こんなふうに『人と人の関係性』を語る時間は初めて」

「新しい視点をもらえて、これからが楽しみ」

 

ただ技術を磨くだけではなく、そこに関わる人たちが安心して率直に話し合える「場」こそ、組織の成長に欠かせないものです。この報告会がそのような場を生み出すための種まきのような時間だったことを実感した2時間でした。

 

その後、ティアフォー様からは The ART of Transition 2025 にも数名ご参加いただき、

学びの連鎖が生まれているようでした。


終了後、佐野さんからは以下のような感想をいただいています。

「参加メンバーからは『コミュニケーションする勇気が出た。』『早速、メンバーにも共有して実践したいと思う』といった前向きな意見を多数共有いただきました。

組織が強くなるには制度を整えるだけではなく、一人ひとりのケイパビリティが向上することも重要です。Hyper-collaboration様には行動変容のきっかけを作っていただき、大変ありがたく思います」



本企画の立役者、プロダクトマネジメント部 プロダクトマネージャーの藤村 新さんと
本企画の立役者、プロダクトマネジメント部 プロダクトマネージャーの藤村 新さんと



出張ATD報告会のご依頼お待ちしています!


NECビジネスインテリジェンス様での報告会が2時間半のフルバージョンだったのに対し、ティアフォー様では 2時間の短縮バージョンとして実施しました。

Hyper-collaborationでは、開催人数・時間・テーマに合わせたアレンジも柔軟に対応しています。

組織内での開催にご興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せください。



ATD(Association for Talent Development)とは、1944年に設立された世界最大の人材・組織開発に関する会員制組織(NPO)であり、より良い世界の創造(Create a World That Works Better)をビジョンに、人材・組織開発に携わる全ての人々の知識習得・スキル向上を支援しています。本ブログではATDが年に一度行うイベント「ATD-ICE」(International Conference & Exposition)の2023年度版をATD23と略し、その報告会を開催させていただいた内容を掲載しています。

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