こんにちは、Hyper-collaboration、トランジション・デザイナーの寺嶋です。
去る、12月11日、Hyper-collaborationのパートナー企業であるグロース・アーキテクチャ&チームス株式会社(以下Graat)さんのホールディングカンパニーである、グロースエクスパートナーズ株式会社様(以下GxP)からご依頼をいただき、出張ATD23報告会を実施しました。
プログラムとしては以下の通り、8月8日にHyper-collaboration主催の時や、8月29日に文科省さんで行ったものと同じものでした。
全体テーマとしてのRethinking:アダム・グラントの基調講演より
これからの学びの形とは:コホート・ラーニング、スキルベース学習
L&D(Learning & Development 人材開発部門)の役割と教育設計
エグゼクティブの能力開発
人の問題とアカウンタビリティ
ふりかえり
人はなぜ集うのか?:プリヤ・パーカーの基調講演より
GxPグループのゼネラルマネジャーを中心に24名を対象として実施することになったこの報告会ですが、企画を立案したGraat取締役の浅木麗子さんに実施の目的と、実施後の感想を伺いましたのでインタビュー形式でお届けします。
DXを推進する立場としての人材育成戦略
Hyper-collaboration寺嶋広明(以下、寺嶋):
浅木さんには今年の8月にHyper-collaborationで開催したATD23報告会にご参加いただき、その後、自社でもこれを開催してみたいというリクエストを頂戴して今回実施に至ったわけですが、改めて実施の目的やどんな期待を持たれていたのかを伺ってもいいですか?
Graat浅木麗子さん(以下、浅木):
はい。私が所属するGraat(グラーツ)はGxPの傘下にあるコンサルティングファームなのですが、GxPグループには他にも数社、関係会社があり、現在かなりの勢いで人数も増え、成長してきています。日本企業のDXを推進する立場としてこれからもっと大きな成長を遂げていくという企業戦略もあります。そんな状況の中、人材の育成ということに関して多くのマネジャーがそれぞれ真剣に考えいるのですが、私としては一度皆で考える場を設けて、その問題意識の解像度を上げたいと思っていました。
そして、8月にHyper-collaborationさんのATD23報告会に参加した際、出張開催も行なっているということをお聞きし、ぜひGxPグループで実施してみたいと思い、代表の渡邉さんに相談してみたところふたつ返事で承認してもらい実施に至ったという経緯です。
また、人材だけに着目するのではなく、自分たちが所属する組織を「このような組織にしたい」というディスカッションができる機会にできたら良いなという期待もありました。
寺嶋:浅木さんも一参加者としてテーブルに座り、ディスカッションに加わっていましたが、実際に参加してみていかがでしたか?
浅木:実は、心の隅には「あんまり盛り上がらなかったらどうしよう」という思いもあったのですが、ワークもふんだんに盛り込まれていたためか、各テーブル予想以上にディスカッションが盛り上がり企画者としても「実施して良かった」という気持ちになりました。
実際に参加してくれた方からも、「普段こんな話しないよね」などというコメントもありました。かといって建前の話だけではなく、「うちの組織にはちょっとフィットしない話かも」という本音の意見も出ていたことが良かったことだと思いました。
寺嶋:もう少し具体的にお聞かせいただけますか?
浅木:はい。GxPグループにはシステム開発を行っているエンジニアが多いのですが、そのせいか、どちらかというと内向的なというか、黙々と仕事を行うタイプの人が多い印象です。その人たちにとって、自分の感情を他の人に話す、また他の人の感情を推察するなどということはあまり機会がないようなんです。今回のワークの一つであった「ムードメーター」を使いながら自らの感情についてディスカッションをした時には「これちょっと苦手」みたいな発言も正直に出ていました。
でも、それはそれで良い機会になったのではないかと感じています。
寺嶋:他にも印象的な発言で心に残っていることなどありますか?
浅木:「いざこざの診断」ワークを行った時のことですが、あれって、構造として自分の振る舞いを客観的に見ることができるものじゃないですか。そのワークの中で一人のマネジャーの方が、「ああ、自分はそのメンバーを優しく静観している気持ちでいたのに、本人からはただ無関心なマネジャーだと思われてしまっているんだなということがわかった、もっと話しかけなきゃ」という気づきを得られていたのが印象的でしたね。
「いざこざの診断」ワーク中
寺嶋:今回の実施にあたり、参加者の選定で苦労したことなどありますか?
浅木:そうですね。実際育成の機会を提供していきたいのは、フロントラインのメンバーだったり、ラインマネジャーだったりするので、そのグループにするのか、それとも今回対象としてたミドルマネジメントを対象にするのか、または経営層に近いところでギュッとやるのかという、三択で悩みました。
先ほどもお伝えしたように、会社としても大きな成長を目指しているという状況の中、議論の熟し方なども鑑みて、ミドルマネジメントを対象にするということに決めました。
これを起点に意識を広めて、次の施策を打っていくきっかけとするためです。
寺嶋:今回、HYC実施のプログラムにはなかった、報告会後のランチ会を実施し、Hyper-collaborationのメンバーもテーブルに入らせていただきましたが、すごく良かったですね。
浅木:ありがとうございます。
寺嶋:僕もひとつのテーブルでお話をさせていただいたんですが、皆さんが人材育成や組織のあるべき姿について熱く語っていらっしゃって、みんなGxPが好きで、いい会社にしていきたいと真剣に思っていることがひしひしと伝わってきました。
「The Art of Gathering」:場を作ることの大切さ
寺嶋:今回アンケートもとっていましたが、その中で印象的だったことはありますか?
浅木:今回のセッションで気になったキーワードを挙げてもらったのですが、「共感」という言葉が圧倒的に多かったのが、印象的でした。
先ほどもお伝えしたように、エンジニアが多いので、皆、内向的で共感などという言葉にはあまり関心がないという印象を持ちがちなのですが、そうではないということがわかりました。
思えば、基本的にはチームで仕事をしているので、比較的メンバー同士は仲がいいんです。朝会をやってチェックインをしたりもしてますし。
でも今回の報告会では日頃では出てこない、もうちょっとプライベートな考え方だったり、価値観だったりについて話し合うことができていたのではないかなと思いました。
やっぱり「場」を作るって大切なことなんだと改めて思いました。
8番目のプログラムで吉田さんがプリア・パーカーの「The Art of Gathering」に触れて、人が集まるということの意味について考えさせていただきましたが、私的にはとても納得しました
GxP代表 渡邉さんによるエンディング
反対側から歩いてきた両社がここで出会った
寺嶋:GraatさんとHYCはビジネスパートナーとして活動を始めて3年が過ぎましたが、GraatさんからみてHYCと一緒に活動していくことの意味とか価値ってどのようなところに感じられているのか改めて伺ってもよいですか?
浅木:そうですね。DXっていう言葉はほぼ市民権を得ている反面、じゃあ何をすればいいのかっていうことになるとまだまだ理解が深まっていないと思うんです。そんな中、Graatはシステム開発のフィールドで、「DXはITだけではない、経営をどのようにしていくのかが大切で、そのための変革が必要だ」ということを言ってきていたんですが、HYCさんは同じことを人材・組織開発の側面からITを支援して、同じことを言ってきていたんだと思うんですよね。
反対側から歩いてきた両社がここで出会ったというか。
なので、両社で日本企業が経営視線で組織的にDXに取り組むことを支援することで日本の産業力強化につながり、人々が真の意味で豊かに暮らしていくことにつながるのではないかと思っています。
寺嶋:またプリヤ・パーカーの発言に戻りますが、彼女が言っていた「リスクなくトランスフォームは起こらない」ということを勇気を持って言っていく必要があると思います。ぜひGraatさんと一緒にそのような活動をしていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。
浅木:こちらこそよろしくお願いいたします。
以上、出張ATD23報告会@Gxp編インタビューをお届けしました。
このように人材・組織開発のきっかけとして我が社、我が組織でもATD23報告会を実施してみたいという方はこちらよりお気軽にお問い合わせください。
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