EQリーダーシップ その7:共感力の活用

更新日:2月24日

コラボレーション研究家の吉田裕美子です。


自律的に活動する社員が増えていく、自己組織化が進む・・・。


早急な企業変革が望まれる中で、新しいリーダーシップの開発が求められています。

EQリーダーシップに関する連載ブログ。

今日は、その7回目です。


 

いよいよ、EQリーダーシップのブログシリーズも今回ともう1回で終わりになります。


本日からは、EQモデルの「活かす(Give Yourself)」という領域のコンピテンシー紹介になります。


「活かす」の領域にあるコンピテンシーは、それ以外の様々なコンピテンシーを統合的に活用することが必要になります。まさに、「自分自身を活かす」ためになくてはならないコンピテンシーの1つ目は、「共感力の活用」です。


「共感力の活用」は、周囲の人の感情を理解し、適切な対応をするために必要な力です。


人とのつながりを構築していく上で、とても重要な役割を果たす共感力ですが、日本語として頻繁に使われる言葉でありながら、本質的なことを説明するのはとても難しい感情知能の1つと私は感じています。


共感は、Empathyと英語で表現されることが多いですが、類似する英単語にSymathy(同情)や、Compassion(思いやり)という単語もあります。カッコ内に日本語のニュアンスとして近いだろう言葉を選びましたが、どれも「共感」と訳されることがあります。


実際にEQの学びを続けていると、「共感力の活用」というコンピテンシーが発揮されている時は、「思いやり」の気持ちが非常に重要な鍵を握っている様に感じています。


まずは、「共感」のニュアンスが伝わる、ブレネー・ブラウン氏のムービーをご覧いただきましょう。




相手がどの様な感情経験をしているのか、真摯に耳を傾け、また注意を払い、それを理解しようとする能力が共感です。


よく「それ、共感する〜」という様な発言を聞きますが(そして、私もよく使いますが 笑)、その意味は、「私もそう思う」「それが正しいと私も感じる」という意味が含まれているのではないでしょうか?


共感というのは、「自分もあなたに合意する」ということや「同じ経験をしたことがある」ということとは違います。確かに似た様な経験をしたことがあると、相手の状況を理解しやすく、共感が生まれやすいのは事実です。


でも、相手の状況を、思いやりを持ちながら深く理解しようと努めることで、「自分だったらそういう行動は取らない」あるいは、「自分は同じ状況に巡り合ったことがない」という事象であったとしても、先入観や固定観念を脇に置いて、相手の経験の理解できる領域を発見できるのです。


しかし、ブレネー・ブラウンのムービーにもある様に、私たちは辛い経験をしている人を見ると、励ましてあげたくなったり、あるいは、その気持ちが伝わってきて自分自身が辛くなるため、「辛い経験の良い意味づけ」をしたくなることがよくあります。


私自身も、これはついやってしまいがちで、「でも、こうも考えられるんじゃない?」とフレーミングしたくなってしまうのです。 リフレーミングが有効なケースはたくさんありますが、こればかりやられると、相手は、「自分のことをわかってくれない」と思ってしまいます。まずは、ありのまま、その状況を受け取ることが必要でしょう。



共感の3つの領域


共感力を活用するために、シックスセカンズ 社の示している共感の3つの領域を確認していきましょう。




認知的共感、感情的共感、共感的行動というベン図の様な図が描かれています。言葉が少し難しいかもしれませんが、それぞれ、共感ということに対して、思考感情行動の3つの領域があると考えるとわかりやすいかもしれません。


最初の領域が認知的共感です。英語で、I put myself in your shoes.と書かれていますね。英語では「相手の靴を履く」と表現されますが、その人の立場に立って考えてみるという意味です。実際にどんな状況下で、何が起きていて、そこに関係していることはどんな事象なのだろうか?とその人から見えている景色を想像しながら理解することが共感の最初のステップになります。この認知的共感を行う際、自分の価値観や、自分が当たり前としている前提が様々湧いてくるのですが、一旦それらを脇に置きながら、相手の話に耳を貸す力が必要になります。


次が感情的共感です。認知的共感を用いて理解したら、その状況で湧いているだろう感情を自分も味わってみることが感情的共感です。これは相手が辛い経験をしていればいるほど、こちらも辛い気持ちになるので、なかなか難しい領域でもあります。


また、感情リテラシーや感情のナビゲート、楽観性の発揮のコンピテンシーが低いと、相手の感情に引きづられる可能性があります。


最後が共感的行動です。まずは、ありのままを受け取り、側にいるということが、共感的行動の一歩目となることが多いでしょう。解決策を考えなければならないわけではありません。相手はその問題を乗り越えられる力があると信じ、同時に、その状況下にいるあなたに心を寄せています・・・という振る舞いが、相手を癒していくことにもなるでしょう。



課題の分離と共感力の発揮


共感力、感情リテラシー、感情のナビゲートは、他者と強い信頼関係を構築する力として、リーダーが身に付けておきたい能力です。感情リテラシーが低いと、上述の感情的共感が働かなくなり、チームメンバーや一緒に仕事をしている人に、「周囲のことを理解していない」と思われたりします。そうなると、信頼関係で結ばれたチームにはなりにくいことがおわかりいただけるのではないでしょうか。


組織がフラット化していき、部門を超えた、さらには組織を超えた連携が当たり前に行われる様になってきている昨今、共に活動する人たちの間にある「信頼」は、パフォーマンスに大きく影響を及ぼします。もはや、企業の看板や肩書きでの繋がりではなく、個々人の信頼関係をどの様に構築していくかということが重要な時代に入ってきています。


また、共感力が強く、感情のナビゲートや結果を見すえた思考が低い場合、相手の課題を認知しては、それを解決してあげなければ!と使命感を感じるてしまうこともよく起きます。これは、自分で問題を抱え込んでしまったり、周囲の人の能力開発、新たなチャレンジのチャンスを奪うことにもなりかねません。


アドラー心理学に「課題の分離」という考え方があります。その問題に最終的に責任を持つのは誰か、正しく理解するために必要な力です。相手の問題、課題は、その人が解決できると信じ、適切な支援や気持ちの支えはしたとしても、課題を奪い取って、相手に成り代わって解決してしまう様なことはしないことも重要です。


 

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