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EQリーダーシップ その1:感情リテラシー

執筆者の写真: 吉田 裕美子吉田 裕美子

更新日:2023年11月8日

コラボレーション研究家の吉田裕美子です。


自律的に動く人材を育成したい。

自己組織化を実現したい。


お客様から、そんなご要望をよく聞くようになりました。


工業社会を経て、第4次産業革命とも言われる今、企業は大きな転換点にきていると言えるのかもしれません。


上司の指示通りに活動すれば全てうまくいくような時代ではなくなった今、肩書きや立場に関係なくリーダーシップを発揮することは、とても重要な能力と言えますが、一方で、自分で判断し、行動を選択する領域が増えていくことには、それなりの難しさもあるでしょう。


自分勝手に動けばいいわけではなく、色々なデータや情報を統合し、ステークホルダーの意見を聞き、その上で自分で行動を選ぶということに、多くの人たちは慣れていません。


なぜなら、これまでの学校教育も、社会人教育も、良いとされる行いや、正解は、どこかにその手本や回答があり、その回答をちゃんと知っている人こそ優秀だとされてきたのですから。回答が示されていない状況で、自らの判断で(勝手に)行動することは、むしろタブー視されてきた期間は長かったのです。


では、自分で、より良い選択肢を考えながら行動するには、なにを判断の軸にすれば良いのでしょう?



子どもは何を基準に判断するのか?


職場における意思決定や判断は、色々と複雑な状況が絡み合うことは事実です。様々な状況を踏まえ、関係者がどうつながっているかも考えていかないとならないでしょう。


でも、そうは言っても、1つ1つの判断は、実は子どもの頃おこなっていたことと近しいことなのです。


それは、自分自身の良心や価値観に基づいた判断です。


ある出来事が、怖い出来事なのか、怒りを覚える出来事なのか、自分はなぜ、そう思うのか/感じられるのか。


ある出来事が、ワクワクする出来事なのか、ドキドキする出来事なのか、自分はなぜ、そう思うのか/感じられるのか。


ある出来事が、嬉しい出来事なのか、悲しい出来事なのか、自分はなぜ、そう思うのか/感じられるのか。


自分で判断するというのは、「自分はなぜ、そう思うのか/感じられるのか」という問いに対する自分の答えを出すことです。


怖いと感じる、怒りを覚える、ワクワクする、ドキドキする、嬉しい、悲しい・・・これらはいずれも、事象に直面したり、話を聞いた時に湧いてくる感情です。その感情に対する「なぜ?」という問いかけへの答えが、自分自身がこれまで経験してきたことの中で作られてきた価値観であり、私たちの良心を形作っているものと言えるでしょう。


そして、子どもの頃も、大人になった今も、基本的に私たちは、自己の「内なる心の呼びかけ」に基づいて、物事を判断しています。


もちろん、知識が足りなくて判断できないという状況もあるでしょう。

しかし、知識が足りてないのであれば、「誰かに聞く」のか「自分で調べる」のか「あてずっぽうで決める」のか「知らんふりする」のか、その判断がまずその前にあるのです。



感情リテラシーという能力


EQコンピテンシーの1つに「感情リテラシー」があります。自分の感情を認識し、言葉にする力です。


感情は、湧いてきた時には言語になっていませんが、立ち止まって考える必要があるような事象に直面している時、私たちの感情という情報は、とても重要な役割を果たします。


例えば、チームのメンバーが何か困り事を抱えていそうに見えたけれども、マネジメントするのは課長の役割だ、自分は忙しくて手が回らない・・・と、直感的に判断したとします。

この「見て見ぬ振り」をしている時、もしかすると、わずかに気持ちは "ざわざわ" しているかもしれません。


この "ざわざわ" に気づき、何がそう感じさせているのか考えることにつなげていくのが、「感情リテラシー」の能力です。


「見て見ぬ振り」が自分の価値観に反していることに気づけば、どういう行動をとれば良いのか、他のオプションから選ぶことができます。


自律型人材は、自分の内なる心の呼びかけに真摯に向き合い、果たして今直感的に選びたいと感じている選択は、正当だろうか?と考える力が必要になります。


その基礎となる力が、「感情リテラシー」であり、リーダーシップを発揮するために、重要な役割を果たす能力と言えるでしょう。



 

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