コラボレーション研究家の吉田裕美子です。
自律的に活動する社員が増えていく、自己組織化が進む・・・。
早急な企業変革が望まれる中で、新しいリーダーシップの開発が求められています。
昨日から開始した、EQリーダーシップに関する連載ブログ。
今日は、その2回目です。
私たちには、様々な「習慣」があります。
習慣と呼ばれるものの中には、例えば、毎朝、散歩するとか、寝る前に読書するとか、自分を含む、誰の目から見ても認識しやすい習慣もあれば、特定の事象が起きると、必ず同じリアクションや行動選択をしている・・という様な、本人には気づきにくい、あまりに当たり前になってしまっているものもあります。
後者の様なパターン化された行動やリアクションは、脳の特性によるところがあります。
人の活動は、脳の自動運転モードの様な状態で遂行されている部分が多くあります。
例えば、今日の晩ご飯は何にしようか・・と考えながらも、いつも通勤している道のりを歩き、駅では改札を通過し、適切な車両の席に座ることを、特に意識せずに行っていたりします。
脳は、何回か経験している活動に対して自動操縦する神経回路を形成し、それに従う様に作られており、そのおかげで、この様な無意識な行動も問題なく行うことができるのです。
無意識に行う行動や反応は、上述の様にパターン化されており、それによって、私たちは脳のキャパシティをうまく活用することができていますが、一方で、この無意識のパターンが状況にそぐわないことも起きる可能性があります。
他者から見れば、「あの人、いつもこうだよね」と、気づきやすいものだったりしますが、自分自身では無意識で行っているので、自分をモニターすることを行わないと、なかなか気づくことができません。
■ 自分をチューニングする力
EQには「自己パターンの認識」というコンピテンシーがあります。
私たちは、毎日の経験の中で、様々な習慣やパターンを身につけて行っています。これら全てが悪いわけではありませんが、様々な人と共に活動し、1つの正解があるわけではない社会の中で成果を上げようとしているリーダーは、自分自身のいつものパターンに気づき、その時の状況に適応するために、自己をチューニングする能力が必要になります。
チューニングするには、他にも様々な能力が必要になりますが、まずは、現状に「気づく」ことが全てのスタートになります。
そして、気づくためにすべきことは、リフレクションです。
周期的に立ち止まり、ふりかえる時間を作る。起きたことに対して、自分は何を感じていたのか、何を考えていたのか、そして、どんな行動を選択したのか。結果が上手くいっても、いかなくても、行動選択時には、必ず前向きな意図があるはずです。行動選択時のメリットはなんだったのか。逆にデメリットはなかったのか。
こんなことをふりかえると、その中に自分のパターンが見えてきます。
このリフレクションで重要なのは、感情を言語化することを忘れないことです。なぜならば、昨日のブログにも書いた通り、私たちは、自己の「内なる心の呼びかけ」に基づいて、物事を判断しているからです。判断が必要な事象に対して、私たちの感情は意思決定の源となる情報を発します。「怖い」と思えば体がすくみ、前進する様なアクションは起きないわけですが、その事象を怖いと思わせているものを知ることなしに、パターンを変えることはできません。
なぜ、怖いと思うのか。
そこに、私たちが自分の中に作り上げてきている認知のパターンが隠れているのです。
■ オープンイノベーションと自己パターンの認識
1つの企業、あるいは同じチームの中では上手くいくパターンも、ひとたびメンバーが変われば、全く機能しないこともしばしば起きます。
すでに企業活動は、チームや部門、組織を超えた連携を行うことが必須となっており、その連携が上手くいくかどうかは、自分のパターンを認識し、チームがよりよく活動できる様、各々がチューニングしていくことが鍵を握っています。
自己パターンを認識するには、感情の言語化も含むリフレクションを行うことが重要だと書きましたが、それを手助けしてくれるツールがありますので、最後にご紹介しましょう。
EQ能力開発のパイオニアであり、弊社もそのエージェントを務めているシックスセカンズ 社が提供している、TFAカード(Think、Feel、Actカード)とTFAシートというツールがあります。
特定の状況において、何を考え、感じ、行動したのかふりかえる際に、カードは言語化を助けてくれます。
また、TFAシートをフレームワークとして活用することで、構造的に自己を認識することに役立ちます。
よろしければ、ご活用ください。
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