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執筆者の写真吉田 裕美子

大きな組織は変われるのか?という問い

更新日:2023年11月8日

長い間・・・おそらく、私は社会人になってからずっと、このテーマが気になって気になって仕方がないらしい。


バブルのタイミングで就職しているので、就職先には困らなかったが、働くことの定義、意味付け、日本企業内でのキャリア構築ということに行き詰まりを感じて、海外に出た。

このときの私の感覚は(今思えば)、「逃げた」ということに近かったように感じる。


多分、自分自身が日本人でありながら、日本という国の中で心豊かに暮らすことと、働くということの組み合わせが如何ともし難い気持ちを引きずったまま、海外に出てしまい、ちっぽけな自分に何ができるのかわからなくて、自分自身のありよう、アイデンティティの揺らぎを感じた20代の終わりから30代ぐらいの自分がそこにいたのだ。


いろいろな試行錯誤をしてきた。


元々私は、ITエンジニアからキャリアをスタートしていて、テクノロジーが働く環境を大きく変えると信じていた。ところが、そうではなかったのだ。少なくとも当時は。


随分、紆余曲折ありながら、今年、もうすぐ57歳になろうという自分は、ようやくその手応えを感じ始めている。



組織は変われる。



硬直化した組織を変えていく上で、非常に重要なことは、「変化し続ける」ことを前提に考えられたトランジション・デザインだと私は考えている。


「なかなか変わらない」でも「この先のゴール地点で大転換する」という大きな変化点を目指した変革は、新たな環境に人が適応することを要する現代社会における組織変革には不向きだからだ。


ただでさえ忙しい職場の中で、「変われた」・・つまり何らかの可能性を感じられたり、自分達が成長したという実感を持てない状態でチャレンジし続けられるほど、人間の精神力は強くない。


私たちは変化することができた。
この変化できる体質を続けたい、発展させたい。
他の人たちにも勧めたい。

この感覚をいかに早く、チームの中で感じてもらえるか。

組織の中に、このような言葉をいかに早く醸成していくか。

これが組織を変えていく「エンジン」になっていくのだ。


私たちは、今、提供しているサービスのトランジション・デザインよって、この領域において成果を感じている。


一例をいえば、先日、このチャレンジを推進しているクライアント先の成果発表会における、プロジェクト参加チームの部長さんの以下のような言葉だ。


チームが物事を決定していくスピードが圧倒的に早くなった。部下に仕事を任せられる様になった。提案がどんどん上がってくる様になった。めちゃくちゃいい取り組みなので、他の部署に「絶対やったほうがいい」と勧めている。


私は、初めて企業に就職して以来、働く場をより自律的で、働く意義を感じられる環境にしていきたい。「作業をこなす」だけの職場を1つでも減らしたい・・そう思いながら活動してきた。なぜかと言えば、自分がそういう環境で仕事に没頭したかったからだ。


その一方で、ずっと挫折してきた自分がいる。

自分の会社では可能なことが、クライアント先に導入することができずにいたのだ。


でも、今、ようやく、扉を開けるところまで来た感覚を得ている。


まだまだ道半ばだし、この先にもっと大きな山があることはわかっているけれども、登るべき道が見えてきた。



変革に必要なのは、小さなセレブレーションだ。


どんなに険しい山であったとしても、小刻みに成果の実感と祝いを繰り返しながら、そのセレブレーションの渦に人を巻き込んでいく。


私たちは、そんな変革のデザインを続けていきたい。


(参考)アジャイル型チームマネジメントへの転換:ハイパー・チームマネジメント


ハイパー・チームマネジメント

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