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EQリーダーシップ その6:楽観性の発揮

更新日:2023年11月8日

コラボレーション研究家の吉田裕美子です。


自律的に活動する社員が増えていく、自己組織化が進む・・・。


早急な企業変革が望まれる中で、新しいリーダーシップの開発が求められています。

EQリーダーシップに関する連載ブログ。

今日は、その6回目です。


 

「楽観性の発揮」は、希望や可能性を信じて、自分から前向きな展望を持つ力です。


困難な状況においても、リーダーが可能性を信じることができれば、チームの前進する力も増強されていきます。


どうしたら、その様な力を蓄えていくことができるのでしょう。


人は、誰でも、その人なりの "レンズ" を通して物を見ている側面があります。これが、その人のパターンなわけですが、皆さんの周りにも、事象の良い側面や可能性に視点が向きがちな人と、事象の悪い側面やリスクに視点が向きがちな人、それぞれ顔を思い浮かべることができるのではないでしょうか。


それぞれの物の見方、思考のスタイルを少し誇張して表現すると、次の様になります。



悲観的に物事を捉える思考スタイルの人


何か1つよくないことや、出したい結果が出せなかったりすると、全てがダメに見えてきてしまうタイプの方です。


例えば、ある会議向けのプレゼン資料を作っていたら、上司にダメ出しされたとします。


「ああ、自分はこの仕事向いてない」


と、全てのことがうまくいかない様に感じられてしまい、この状況を自力で変えていくことができない、ダメな人なんだ・・と考えがちな思考スタイルです。


よく使う言葉に、「どうせ」「私なんて」「ムリ」などがあります。



楽観的に物事を捉える思考スタイルの人


よくないことが起きたとしても、それは一部分、あるいは、一時的で、自分はその状況を変えられると捉えるタイプの方です。


例えば、仕事で必要な資格試験に落ちてしまった時に、自分は確かに試験には落ちたけれども、自分には他の強みや他者に貢献できる領域があると感じられるのが、楽観性を発揮できる方です。


そして、この試験を受けるに当たって、どの部分の学習が足りていなかったのか特定し、そこに力を入れれば、次はきっと合格する・・・と考える思考スタイルです。


よく使う言葉に、「大丈夫」「ここだけ」「やってみよう」などがあります。



問題が特定できなければ、誰しも悲観的になる


2つのタイプを比べてみて、違いにお気づきでしょうか?


悲観的であることと、楽観的であることは、性格の様に考えられがちですが、実は、問題を特定する思考プロセス(考え方)を変えれば、物事の捉え方は変えられるのです。


上述の2つの違いは、PPP vs TIEモデルと呼ばれ、時間、領域、変化の可能性の3つの点に関して、自分はどちら寄りに物事を捉えているかが影響しています。


つまり、その事象は、

  • ずっと続きそうだと感じているのか、一時的なことだと感じているのか(時間)

  • すべてに対してそうだと感じているのか、この部分だけだと感じているのか(領域)

  • 自分の力ではどうすることもできないと感じているのか、努力次第で変えられると感じているのか(変化の可能性)

によって、楽観的か悲観的かが別れるのです。





楽観性の発揮は、心理学者のマーティン・セリグマン氏が提唱したポジティブ心理学に基づいています。


また、臨床心理学者 アルバート・エリス氏が開発した心理療法、ABCDE理論も自分の思考に対して、反論を唱えることで、思い込みを取り払いポジティブに変わる方法を提唱しています。


例えば、前述の上司にプレゼン資料のダメ出しをされたら、自分はこの仕事は向いていないと悲観的になっている様なケースの場合、永遠にプレゼン資料のレベルはこのまま変わらないのか、プレゼン資料だけじゃなく、全てのことに関して自分は本当にダメなのか、そして、この状況は全く自分では変えられないのか、自分に問い直してみるということです。


そして、今回はプレゼン資料によくない点があった、プレゼン資料は上手にできなかったが、人との関係性構築は得意だ、自分は、良い結果を出すためにプレゼン作成方法をちゃんと学習すれば改善できると、TIE側(上図の右側)の表現を作ってみます。


問題が特定され、自分で変えられる部分が見つかれば、気持ちもポジティブになり、前進することができます。


最後にアルバート・エリス氏の著書『性格は変えられない、それでも人生は変えられる』の素敵な言葉を引用したいと思います。


どうやって自分を幸せにするか?
今、あなたが精神的に辛い状況にあっても、自分の力でより幸せになり、不安をなくすことがほぼ確実に可能です。なぜか?それは、人には、人間として生まれつき建設的で創造的な性質があり、また、自己成就的な性質を強めていく能力もあるからです。(中略)私達人間は、先天的に建設的なのです!


悲観的に捉えてしまうのは、性格なのではなく、考え方です。考え方のパターンを変えることで、異なる結果を私たちは生み出すことができます。

 

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