テレワークを成功に導く方法2:ふりかえりと学習

更新日:9月29日

こんにちは。コラボレーション研究家 吉田裕美子です。


今日は、テレワークを成功に導く方法のうち、仕事の品質や人の能力開発に大きく関わる内容を確認していきたいと思います。


まずは、仕事の品質が望ましい状態ではないという結果になってしまうのには、どんな前提条件があり得るのか考えてみましょう。


ちょっと皆さんのご経験を思い起こしてみてください。

結果的に品質に問題があることが、締め切り、納期になって、あるいはそれを過ぎてから発覚したような時、本当に、その時点まで何1つ不安要素、修正すべき事柄を感じ取っていなかったでしょうか?


私の経験を振り返ってみると、多くの場合、「何か変だ」と思っていたり、「やばそうだな」という感覚があり、最終的に問題が顕在化したときは、「やっぱりな」とか、うっすらと嫌な予感がしていたのは「これか!」と思うことの方が多かったりします。


そう、私たちは、「薄々」感じ取っていたり、場合によっては「明らかな事実として」問題を認知していることは多いのです。ただし、それが明確な言語になってメンバー内で交わされていたり、具体的な対処方法を考える時間が用意されていないということが、実は問題を放置してしまう大きな要因の1つと言えます。


立ち止まることの重要性


私たちは、良くない兆しを感じ取る力を持っています。この感じ取っているものを、自分の明確な認識に転換して、さらに人と共有するには、立ち止まって自分の内面と向き合い、「感じているもの」を言語化する時間が必要になります。


しかし、私たちの仕事は毎日毎日とても忙しく、目の前の仕事を終えるまでの時間すら十分に用意されていないことも多くあります。


また、優秀な方ほど責任範囲が広く、多忙を極めているケースは多く、立ち止まることは、仕事の遅延につながってしまうという恐れを抱いてしまっても不思議はないでしょう。


しかし、立ち止まらずに進んでしまうことの影響は、私たちが考えている以上に大きいものです。例えば、私が以前行っていたシステム開発の仕事でも、プログラムを書いている段階で、「この部分ってこの解釈でいいのかな?」と曖昧さを感じながらも、納期に追われて自分の担当箇所が正常に機能することを確認できただけで納品したら、別の複数名もその曖昧な定義を自己流に解釈してプログラムしており、後から発覚した不具合による手戻りで大きな工数がかかった・・などということは、たびたび起こっていました。


また、時間が経過してしまったことの原因探求は難しいケースが多く、対処も大掛かりになるために、結果的にその負荷に耐えられずに改善されない・・などの悪循環も発生します。


私たちは、一生懸命働いていますが、日々、大小様々な問題、障害に直面します。こまめに立ち止まることは、それらを早く顕在化し、対処することを可能にします。ほんのちょっと視野を広げてみれば、立ち止まることが決して無駄でないばかりか、大きな価値を生むことだと言えるのではないでしょうか?


チームでふりかえる経験学習の価値


私たちは、仕事をする中で様々な経験をし、色々なことに気づき、兆しを感じ取っていますが、これらのことを言葉に置き換えることができて、初めて明確な認知となります。そのためには、一度仕事の手を止めて、立ち止まることが必要になることを確認してきました。この立ち止まって、「何が起きているか」を改めて認知することを「ふりかえり」と呼びます。


個人で立ち止まり、ふりかえって、良いことも、悪いことも、言語化しきれていない事柄を言葉にするプロセスは、不具合を早く検知し、改善するためにも重要なことは上述の通りです。


更に、ふりかえりをチームで行うことで、経験から相互に学び合うことが可能になります。チームメンバーが自分の経験から紡ぎ出した学びを聞くだけでも、それは1つの実践知の共有になりますし、対話をすれば、言葉を交わすという行為によって自分の頭の中にある情報を構造化することにもつながります。学びとは、既存の知識と新たな情報が繋がった時に得られるものと仮定すれば、チームでのふりかえり、そしてその中での対話こそが、チームの経験学習となるのです。


テレワークの時こそチームでふりかえりを


テレワークによって人財育成が難しくなったという声をあちこちで聞きます。確かに対面で仕事をした方が仕事を教えやすいのは事実だと思います。


また、テレワークでの孤独感、不安を感じている人も多くいらっしゃいます。


ふりかえりは、チーム内の現状を認知し、問題を早く顕在化させ、チームで経験から学習することを可能にします。私たちがハイパー・チームマネジメントの導入で支援してきたチームも、ふりかえりのプロセスが習慣化していくにつれて、チーム内の活動がよりわかりやすくなり、問題発見、相互学習によってチームが明るく、前向きになっていくことを感じました。これは、人が知識創造活動を行っていくことが、とてもクリエイティブで楽しく、また、繋がりを感じられるからではないかと私は仮定しています。


知識創造のモデルとして、野中郁次郎先生のSECIモデルがあります。



このSECIモデルの共同化から表出化のプロセスとして、チームのふりかえりの場は非常に適しており、またそうした「知」の交換を共に行うことがチームでの活動であるとも言えるのかもしれません。


テレワークにおける問題の早期発見、メンバーの孤立感、不安、そして学習がスムーズに行われていかないという課題解決の有効な方法として、チームのふりかえりをお勧めします。


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